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式 辞

 長崎游泳協会110周年を迎え、日本水泳連盟日本泳法委員会八木沼委員長様、長崎市民代表、市議会を代表して奥村修計議員、馬場豊子長崎市教育長、小堀流宗家古閑師範をはじめ、ご来賓にご臨席頂き先師祭を執り行い、協会110年のそれぞれの時代の中、ご貢献頂いた物故教師の先輩方の御霊の安らかん事を祈願し、先輩方のお力によって迎えられた今日の協会の現況を先師の御霊にご報告申し上げます。
 先ず、5年前105周年先師祭以降、川平敏師範、吉田孝穂師範、初め判明分にて11名の先生方がご逝去になられました。本日の先師祭、多数のご遺族の皆様にもご臨席頂いております。この5年間ご逝去の先生方、それぞれの立場で、それぞれのキャラクターで、水泳を愛し、子供達を慈しみ、協会の為に多大な貢献を頂きました。ご本人の生前の願いで、葬儀の後、霊枢車でプールに廻られクラクションで別れを告げられた先生方も多く、協会に対する深い愛情に敬意と感謝の念を捧げます。

 先輩方が築かれた、長崎游泳協会も今年110周年を迎える事となりました。昭和47年、70周年の折、第二次外港計画により海からプールへ、時代の流れとはいえ我協会の母なる道場「ねずみ島」との惜別は時代の流れとはいえ、痛恨の念、耐え難い想いは教師共通の想いでありました。しかし協会の目的、理念を継続すべく、長崎市ご当局当時の諸谷市長様の英断にて市民総合プールに道場を移し受け継がれております事、先師の御霊にご報告申し上げます。時代の変化と行政のシステムの変動により、市民総合プールは委託より指定管理制度に移行、先師の先生方の築かれた実績と長崎市ご当局の好意あるご判断により協会はNPO法人格を取得し特別指定管理を指定頂きました。従来の水泳指導に加えて長崎市民総合プールの経営、運営、管理の全てにその責務を負う事となりました。安全第一を第一義とし市民に愛され活用頂くプール、加藤支配人初め常勤先生方は、新たに「小さい頃から水と仲良しにとの願い」幼稚園・保育園児の水泳教室を開催、昨年は延べ4700人を超える参加、また女性のニーズに対応し、市民総合プールならではのアクア水泳教室も女性の美と健康に好評で、昨年6700人参加という人気教室、お陰様で市民プールの活用、入場者数の年々の増加と確実な成長経営、重ねて常勤役員の皆様の知恵と努力の賜物とお加勢頂く先生方のご協力に感謝申し上げご報告致します。

 游泳を通じて、青少年よ逞しく育て、創立の理想「市民皆泳」「小堀流踏水術伝承」は変わらず継承し、少子化の時代の中、今夏も昨年を超える2700人の児童生徒が泳ぎと小堀流上達を目指し懸命に稽古に励んでおります。指導する先生方も連日60名を超える参加、厳しく、優しく協会の理念を実践指導頂いております事、吉例の寒中水泳稽古始めは1月3日、我々の母なる聖地、ねずみ島にて毎年開催、遠泳は近年大村湾にて開催、今年も35名丙組乙組甲組の生徒が3時間から4時間で全員完泳、深堀遠泳からの伝統は、水泳を志すものの必須の稽古と受継がれ継続開催もご報告致します。

 明日は110周年記念大名行列、大分山内流より日本泳法の大技「渡海」をご披露頂き110周年に華を添えて頂きます。生徒の成長の立ち泳ぎと併せて天上よりご覧下さい。
 游泳協会は、市、教育委員会他関係各方面のご尽力と協会伝統の教師各位の無私のご奉仕とご努力によって110年の伝統を継承致しております。過去110年の歴史が示す通り、順風ばかりでない事も心に刻み、ただただ創立の理想を忘れる事なく110周年を契機に心を新たにして益々研鐙に努め協力一致して使命達成に努力致す事を先師の御霊にお誓い申し上げます。先師の御霊の安らかん事重ねて祈願し式辞と致します。

NPO法人長崎游泳協会
理事長 田中直英
主任師範 日正史