長崎游泳協会では、小堀流踏水術の伝承を目的に次のような活動を行っています。

 夏季水泳教室
 夏季水泳教室では、スピードを目的とした水泳ではなく、身を守る術としての小堀流踏水術を指導しています。丙組から立游などの小堀流踏水術の技を指導していきます。乙組では海での遠泳を経験することで子供たちは大きく成長します。また、恒例の大名行列では、道具を持って足の届かない深いプールを泳ぐという、ストップウォッチでは測ることのできない力強い泳力を披露してくれます。

 遠泳
 乙組以上の生徒は毎年大村湾遠泳(約7km)を行っています。
 最初はみんな余裕があります。海で泳ぐのは初めてという生徒もいて、水が塩辛いだの海藻が浮いていただのと言っては大騒ぎです。出発してしばらくすると、事の重大さに気が付きます。出発地点は遙か後方に、上陸地点は遙か前方にあって、プールでの練習の時のようにプールサイドに掴まって休むなんてことはでません。とにかく泳ぐしかありません。
 人の手で管理されたプールと違って、同じ海でも場所によって水温が違っていて急に水が冷たくなったり、波をかぶったり、鰯の群れに突っ込んでしまうこともあります。途中であめ玉を支給したり給水したりしますが、その間も泳ぎっぱなし、立ち游ぎです。
   こうして、数々の困難(海では当たり前の事ですが)を乗り越えて完泳した子供たちは一回り逞しく成長します。

 大名行列
 大名行列は夏季水泳教室で練習した成果の発表会です。丁組の子供たちから保護者の皆様の前で泳ぎを披露します。丁組の子供たちが泳ぎ終わったらプールの水深を2mに変更して、いよいよ大名行列の大井川渡りです。丙組の子供たちは泳力に応じて、鉄砲隊、騎馬隊、長刀隊、等に扮して泳ぎます。雲助に扮した乙組の子供たちはお姫様役の女の子を乗せた輿を担いでプールに入ります。
 プールの水深は2mですから、もちろん足は届きません。御輿+お姫様の重さを立ち游ぎだけで支えなければなりません。「ホイサ、ホイサ」のかけ声をかけて一気にプールの中央まで進みます。そして「ホーエンヤ、ホーランエ、ヨイヤサノサ」のかけ声で御輿を頭上高く持ち上げます。

 小堀流踏水術育成コース教室
 夏季水泳教室の乙組以上の生徒が、さらに深く小堀流踏水術を学ぶための秋〜春の教室です。