明治三十九年(1906年)

一月二十日
●游泳会の兎狩
瓊浦游泳会の有志者は本日道の尾方面にて兎狩(うさぎがり)を催す(よし)。同行希望の(むき)は、本日午前七時迄に長崎停車場に集合すべしと。

一月二十一日
●兎狩は今日
  游泳会の兎狩は本日なり。同行希望者は午前七時停車場へ。

七月八日
●瓊浦游泳会
長崎瓊浦游泳会は年々長足(ちょうそく)の進歩を示し、殊に女子の十(マイル)遠泳の如きは、東都(とうと)の諸新聞紙(また)()転載なして、()の勇気と熟練の程を称揚(しょうよう)したる程なりき。(これ)(ともな)い游泳会場たる鼠島の如きも諸般の準備今や(ほと)んど遺憾無き迄に整頓されたるより、父兄の如きも今や進んで其の子弟を勧誘して出泳(しゅつえい)せしむるに到りたるは、畢竟(ひっきょう)委員諸氏の斡旋其の()きを得たる結果ならんが、本年も早や游泳時季に到達しければ、愈々(いよいよ)本月十一日より開始の事となりたるは本紙広告欄の通りなるが、()規則書(きそくしょ)(とう)の詳細は大村町商業会議所内の同会事務所に就て承合(しょうごう)すべし。

七月八日、十日
【広告】
 瓊浦游泳協会広告
一事務所 大村町商業会議所内ニ設ク
一出張所 大 波 止
一期 間 自七月十一日到九月十五日
一入会手続 事務所又ハ出張所ニテ取扱ウ
一会 費 正会員七月金四十銭八月七十銭
 九月三十銭但最初三ヶ月分ヲ通シテ納ム
 ルモノハ一円二十銭トシ又五十人以上ノ
 団体ヲ以テ申込ム者ハ七九両月ハ五銭八
 月ハ十銭ヲ割引ス
 準会員大人一日二十銭子供十銭トス
往復回数及時間ハ事務所及出張所ニ掲示ス

七月十一日
●鼠島の游泳開始
瓊浦游泳協会の鼠島游泳場は、既記(きき)の如く愈々(いよいよ)今十一日より開始の運びとなりたるが、本年は前年よりも一層規模を拡張なし、游泳場も男子部は神の島、高鉾の二ヶ所に、女子部は木鉢海面に一ヶ所を設け男女子部共に師範各四名監督の下に、助教十五名、班長四十名を()つて教授及び取締(とりしまり)(にん)に当らしむることとなりたる(よし)なれば、父兄諸氏も()た安心ならんか。(ちなみ)に当月中の大波止出船は午後一時、同三時、同五時の三回なれば、出泳(しゅつえい)者は注意せらるべし。

八月二十二日
●鼠嶋游泳絵葉書
船大工町宮崎写真館の撮影にかゝり、同町中原商店より発売する鼠島游泳実況の絵葉書四枚一組は、印刷鮮明にして殊に紀念スタンプを押捺しあるが、発行前より游泳会員の申込多く一昨日発売と共に(その)多数売行きたりと。売価(ばいか)は一組拾弐銭の由。